どういう人を雇うべきか
CTO就任以来、エンジニア採用に関わり続けている。外の人からは「凄い人がたくさん入社して、順調ですね」などと言われることが多いが、当人にはそんな気はほとんどない。苦悩の日々だ。
スタートアップが抱える人材採用の問題には様々な側面があるが、「どの人を採用すればいいのか」というのは特に重要な問題だ。
有り体に言えば「いい人がいれば雇いたい」というのが心の内な訳だが、どの人がその「いい人」なのか、どうやってそれを判断するのか。それを考えるのがエンジニア採用という観点から見た時のCTOの重要な役割の一つだと思う。
どういう人を雇うべきか?欲張って挙げていけば切りがないが、最近特に思うことを3つばかり書いてみる。
自称ゼネラリスト、他称スペシャリスト
ゼネラリストとスペシャリスト、どちらを目指すべきかと言えば、僕はゼネラリストを目指すべきだと思う。トンカチしか知らない人は、全ての問題をクギだと考えてしまう。一つのことを突き詰めるのはいいが、それしか知らないというのは色々な意味で危うい。
だが、困った時に頼るのはその道のスペシャリストだ。「あの人は◯◯が凄い人だ」と周りに認められるものがないと、キャリアという観点から見ても厳しいと思う。
ラーニングアニマル
ラーニングアニマルという単語は How Google Works に出てきた。言い換えるなら学習意欲と能力を持っている人。
How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス) ―私たちの働き方とマネジメント
- 作者: エリック・シュミット,ジョナサン・ローゼンバーグ,アラン・イーグル,ラリー・ペイジ,土方奈美
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2014/10/09
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ラーニングアニマルで構成される組織に、新たなスペシャリティを持つ人が加わったら、組織はその人から多くのことを学ぶだろう。そうやって学習する組織は強くなっていく。
文章が上手い人
何をチームと共有すべきかは教育できるが、文章を上手くするのは容易ではない。
文章が上手いことは、ここに並べるだけの価値があると思う。そういう人は活字で意思疎通ができるだけでなく、人が分かるように書くことができる。
傾向として、アウトプットがスムーズな人の方が、そもそも何を共有すべきかを心得ていることも多い気がしている。
果たして僕は「どういう人を雇うべきか?」ということを四六時中考える訳であるが、そうしていると否が応にも「自分は雇われるに値するのか?」ということが頭をもたげてくる。
二重の意味で苦悩の日々は続く...。