いい親になりたい

半年前に父親になってから、「子どもが生まれて何が変わった?」とたびたび聞かれる。そのたびに振り返って、あれも変わったな、こういう変化があったなと発見するのだけど、今日気がついたのは「育児書を読むようになった」ということだ。

これまでは専ら小説を読むことが多く、勉強のために技術書を読むこともあった。今でもそういった本を手に取るが、しかし、そこに育児書という第三勢力が割り込んできたのは、父親になったという出来事を象徴する一つの大きな変化だと思う。

なぜ育児書を読むのか。一言でいえば愛しい我が子にとって出来る限りいい親になりたいと願うからだ。

ではそもそも「いい親」って何だろう?もうこれは本当に人それぞれで、それこそ親の数だけ答えはあるのだろうけれど、今現在僕の心の中では「子どもへのまなざし」の次の一節が残っている。

子どもの精神科の医者として、お母さんやお父さんにお願いしたいことは、子どもの笑顔や喜ぶ姿に、ご自身が喜べるご両親であってほしいということです。親の希望どおりのことを、子どもがしてくれることに喜びを感じるのではなく、子どもの希望にこたえられることに、幸福を感じられる親であってほしいということです。

子どもへのまなざし (福音館の単行本)

子どもへのまなざし (福音館の単行本)

俵万智さんの言葉を借りれば、この本を読むと、子どもと向き合うとき、どんな心の持ちようでいればいいのか、その一番大事なことを教えてもらえるような気がする。あるいは答えはすでに心の中にあって、それの輪郭を的確に言語化してくれただけなのかも知れないが。

ちなみに、この本を読むのは妊娠中あるいは乳幼児の時期にしておいた方がいいかも知れない。というのも、乳幼児の時期が人生の土台を作る時期であり、土台がダメだと上にどんな建物をたててもすぐ壊れる、みたいな比喩が何度か出てくるからだ。(全然そんなことはないのだけど)もう手遅れなのか、、、と思ってしまうかも知れない。