焼き肉と日銀

小学校から大学へと色々な友達がいて、次の段階に進む度に別れてきた。一般的にいって、その別れが幼い頃の人ほど、その後の人生で歩む道は大きく乖離していく傾向はあるように思う。小学校・中学校の友達の中には、既に堅気でなくなった奴もいるかも知れない。

それは逆に言えば、大学の友人とはそこまで大きく乖離しない、ということでもある。そしてそれが同じ学部の友人ともなれば尚更だろう。さらにいうなら僕が属している業界は、世の中の各種業界の中でも特に世間が狭い部類だから、いたるところで知人とすれ違う。大学の友人とはだいたい似たり寄ったりな感じだ、ということである。

そんな中で今日夕食をともにした、友人はなかなかに新鮮だった。私服で日頃仕事をしている僕と、スーツに身を包んだ彼。片や少人数のスタートアップで働くかと思えば、一方は日銀で黒田総裁を支える日々だという。知らない世界の話を聴くのは実に楽しいものだ。

知らない世界の話といえば、これは本を読む衝動にも似ている。小説を読む、楽しむ。けれど結局はフィクションなんだと心のどこかで思う。

だが今日の話は現実のものだ。そこがたまらない。