高校物理と僕の部屋
物理に関して言えば、残念ながら僕の知識は概ね高校止まりだ。大学に入ってからも履修してはいたが、そこで学んだことと言えば「高校物理が如何に都合の良い世界に閉じられたものであったか」ということくらいだろう*1。
だからと言って、高校時代に学んだ物理学が無意味な訳ではない。現実世界を正確に記述するには大雑把過ぎるかも知れないが、身の回りの出来事を面白おかしく考察するには十分だし、何よりそれ自体が面白いのだ。
ところで、高校物理の内容を極めて暴力的に要約するとすれば
全体で見ればエネルギーの総量は保存するが、個々の物体はエネルギーが低い状態になろうとする。
という一言で言い表せるのではないかと僕は思っている*2。林檎が木から落ちるのも、放っておいたって鉄が金にならないのも、簡単に言ってしまえばそういうことだ*3。
僕の周りを見回してみると
たったそれだけの知識だけを持って世の中を眺めてみても色々な面白いことを考えることができる。
僕ら人間は物理法則が支配する世界に生きている。ならば、僕ら自身の行動もまた気づかない内に「エネルギーの低い方へ」の原則に従っていたとしても変ではないのではなかろうか。
例えば、大都会は人に溢れている。物に溢れている。すなわち、エネルギーに溢れている。「都会の喧騒から離れて暮らしたい」と思う人の心理が物理法則で説明できたら面白そうだ。
他にも、あんなに激しく恋の炎を燃え上がらせた二人がいつの日か冷めてしまうのも、民主党の支持率が落ちるのも、僕が無性にハイチューグレープ味が食べたくなるのも、もしかしたら裏で物理法則が糸を引いるのかも知れない。そういうことなら仕方がないと思えてきたので、帰りにハイチューグレープ味を買って帰ろうと思う。