ペンギン撮影隊

O'REILLYの本の表紙には白黒で描かれた動物達の絵が載っています。若かりし頃は本の内容と表紙の動物に何かしらの関係があるのだろうと勝手に期待していたのですが、実際のところは驚くくらい何も無いのです。巻末を開くとその動物に関するそれらしい説明文がありますが、どこをどう読んでも内容との繋がりは特に無いのです。ビックリするくらい皆無なのです。
今僕の目の前には集合知プログラミングがあります。表紙を飾るのはオウサマペンギンですが、彼等が三人寄れば文殊の知恵的な何かを現している訳でも何でもないのです。
集合知プログラミング
ところでペンギンというと真っ先に思い浮かぶのが、南極のブリザードに耐えて子育てをするコウテイペンギンの姿だという人は意外と多いのでないかと思います。コウテイペンギンはつがいで子育てをするのですが、卵を産んで体力を消耗した母親が体力回復のために海に行っているあいだ、父親は卵を温め、子どもが産まれたら今度は胃の中のものを吐き出して子供に与え、それすらも無くなると胃から何かよく分からない液体を吐き出して子供に与え、地球上で最も厳しいと思われる冬の南極で母親の帰りを待ちます。書きながら若干涙目になってしまったのは、自分が男だからなのかも知れません。
ペンギンにまつわる話として、初めて人類が南極でペンギンに遭遇したとき、彼等がまるで拍手をするような動きをしているのを見た探検隊が「我々を歓迎してくれている!!」と感激して記念撮影をしたけど、実はそれはペンギンにとっては単なる威嚇行動でした、という話を聞いたことがあります。念願叶って南極に足を踏み入れ、出会った生き物が拍手しているように見えれば誰だって嬉しくなってしまうとは思いますが、だからと言って嫌がるペンギンに無理矢理近づいていって記念撮影してもいいという道理はありません。ペンギンからすればいい迷惑です。
こんな「つい嬉しくて羽目を外し過ぎちゃった」的な失敗談は僕の人生を掘り返してみると枚挙にいとまがありません。つい先日も

これらの人々に対して取った僕の言動が、嫌がるペンギンを尻目に記念撮影をする探検隊と同じだったと思うと心が締め付けられます。僕は写真に写るのが苦手なのです。意図的に避けているわけではないのですが、高校3年の卒業間近になってクラスのアルバム制作委員の人に

id:yuku_t君だけ写真が無いから撮らせて欲しい

と言われて撮られた写真が卒業アルバムのクラスページの片隅に申し訳程度に載っています。クラスメイト達が仲良しグループ的な集団で和気あいあいとした雰囲気と共に青春のキラメキを写真に収めている中、一人ポツンと小さく写る僕。友達は沢山いたのですが、無意識的にカメラを避けることができてしまう僕の第六感の強さのために引き起こされた悲劇だったと言えるでしょう*1。つまり、僕は写真に写るのが苦手なのです。。
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そんな僕がインターンの取材に来た日経新聞社のカメラマンに、「インターンの課題に取り組む参加者と指導する社員の様子」として中腰のid:hakobe932さんと共に激写されまくったのは、僕のシックスセンスが衰えたというよりは、単に大人になったということなのかも知れません。僕も今夏で24歳になりました。
何の話だったか。ペンギンの話でした。
ペンギンと言えば一昨年の夏に旭山動物園を訪れた際に観たイワトビペンギンの愛苦しい姿が忘れられません。実際、その時撮影した写真が今でも携帯の壁紙になっているので忘れようにも忘れられないという話です。折角なのでその写真をアップロードしようと思ったのですが、携帯を家に忘れて来たので今日の夕方にでも再掲載しようと思います。その写真が左のやつです。かれこれ2年近く僕の携帯電話の主となっています。
ペンギン、可愛いよペンギン。

*1:そんな目でこっちを見ないでください。