43のキーワードで読み解く ジョブズ流仕事術

大学生協で新書・文庫セールやってたから買って読んだ。


スティーブ・ジョブズといえばやっぱりこの演説が外せない。


この演説を先に見ていたのもあって既に知ってるエピソードも多々あったんだけど、概して言えばジョブズの生い立ちから今に至るまでのあれこれを詰め込んだ準ジョブズ伝記とも言えそうな内容でなかなか面白かった。スティーブ・ジョブズという人物自体に興味があるという人は読んでみる価値はあるんじゃないかな。
以下個人的に気になった"ジョブズ流仕事術"部分

アップル社はiPodの発売当初から、ユーザーが本体をポケットや鞄の中に入れていても、それとわかるように、周囲に目立つ白いイヤフォンケーブルを採用するというデザイン戦術を打ち出していた。そして、白いイヤフォンがお洒落だからiPodが売れているものと勘違いしたライバルメーカーたちは、次々と自社製品にも白いイヤフォンケーブルを導入するという過ちを犯した。せっかく、その会社の製品を選んでくれた消費者も、皆、iPodユーザーに見えてしまうのだ。かくして、街角や電車内では実際以上にiPodが普及しているように感じられ、それがまた需要を換気することになったのである。

これを実際に体感したことがある人は多いんじゃないかな。白いイヤフォン=iPodしてるみたいな認識はあったと思う。逆に、白いイヤフォンをしていれば、実際はパチ物でもiPodだと周囲に思わせることができたということでもあるけど。
この本には43のジョブズ流仕事術のキーワードが紹介されているんだけど、個人的に見習いたいというか参考になったキーワードは

  • 100のアイデアを出す

ポイントは、100-99=1の最後の1つにある。たとえ99のアイデアが凡庸でも、残る1つは他の誰もが思いつかないような、斬新で、既存の枠組みの盲点を突く、優れたものなのだ。(中略)逆に言えば採用に至らないまでも、視点の異なる99の発想ができる柔軟な思考をもつからこそ、非凡な1つの正解を得ることができる。

  • 選択肢を限定する

相手の意志を尊重しようとして選択肢を増やすことは、一見親切に思えるが、かえって負担を増やすことにもなりかねない。かと言って誤った絞り込み方をして本末転倒であり、選択肢を限定するという判断には、作り手や情報を提供する側の力量が問われる。

  • プランB、プランCを用意する

ジョブズは大掛かりなプレゼンテーションの際にバックアップシステムを2系統用意させているという。そして、それぞれのシステムに張り付いた担当者が、ステージ上でジョブズが操作するのと同じ動きを舞台裏でも平行して行うのだ。万が一、ジョブズのコンピュータやソフトウェアにトラブルが起こると、すぐに映像がサブシステムに切り替えられる。さらに、それにも問題があれば、3番目のシステムの出番となる。(中略)最低でもその程度の用心は黙っていてもするような人間でないと、ジョブズ直属の部下は務まらないだろう。

  • ときにはレトリックを駆使する

ジョブズが自身たっぷりにそう説明すると、誰もがそれを真に受けてしまう。その独特な「場」の力は「現実歪曲フィールド」とも呼ばれ、彼の強力な武器と考えられている。