雑記

バイアスから完全に開放された思考実験を行えたらいいのだけど、現実はそう簡単にはいかない。「人はその人が見たいと思ったものを知覚する」という言葉が生まれるくらい、偏った考えというのはありふれた物で、むしろそれが普通と言っても過言でない。
特に気をつけたいのは、自分の観測範囲で一見成立しているように見えるだけのものを、広く一般に適応できる法則だと勘違いしてしまうことだ。Web上でよく見かける「成功する人の5つの共通点」みたいな記事はその典型で。
別に「成功している人には5つの共通点がありそうだぞ」と想起することが間違いだと言っているのではなく、それが一般化できるモデルなのかの検証が恣意的に行われていたり、そもそも行われていないのにも関わらずそのような主張するのは、デマの流布と何が違うんだと思う。
かと言って、人間を対象に考えると、100%に成立する法則なんて「人は誰でもいつかは死ぬ」くらいしか存在しないだろう。人間みたいなゆらぎのあるものを対象にしたら、絶対に外れ値は存在するのだから、どこかに妥協点が必要だ。例えば、人口の80%の人が該当するなら、その法則はそのコミュニティにおいて成立しているとみなせる、みたいな。
統計学的には95%とか99%の確率がよく用いられるけど、人間を集合的に扱わない限りこんな水準を満たすのってなかなか難しそうだよなー

というようなことを一連の「ヒッグス粒子」に関するニュースと、最近話題(若干炎上気味)のこの記事を読んでいて考えたりした。
ちなみに、物理学の世界では99.999%の確率(確度というらしい)を超えるなら存在するとみなされるのだとか。